マイナンバーカードの普及が進まない理由

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2019年9月16日現在のマイナンバーカードの交付枚数は17,835,498枚、交付率にすると14.0%で遅々として普及が進んでいません。

9月3日の第5回デジタル・ガバメント閣僚会議の資料1には次のような交付枚数の想定が掲げられています。2016年1月の交付開始から3年半で14%だったのに、これからの3年半でほぼ100%を想定するって、ほとんど夢物語でしょう。

マイナンバーカード交付枚数(想定)
2020年7月末3000~4000万枚
2021年3月末6000~7000万枚
2022年3月末8000~9000万枚
2023年3月末ほとんどの住民がカードを保有
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マイナンバーカードの概要

マイナンバーカードに含まれている情報

マイナンバーカードの表側には次の情報が記載されています。

  • 基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)
  • 顔写真

マイナンバー(個人番号)はカードの裏側に記載されています。

ICチップには次の情報が記録されています。

  • 電子証明書(署名用、利用者証明用)
  • 基本4情報とマイナンバーのテキストデータ
  • カード面の画像データ
  • 住民票コード

電子証明書とは

ICチップに搭載されている電子証明書は2種類あります。暗証番号もそれぞれに設定します。

署名用電子証明書は、オンラインシステムを利用して文書を作成・送信する際に必要となる証明書です。暗証番号は英数字6~16桁です。

例えば、以下のオンラインシステムを利用して申請や届出を行う際に必要です。

  • 国税電子申告・納税システム(e-Tax)
  • 自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)
  • 登記・供託オンライン申請システム
  • 電子政府の総合窓口(e-Gov)
  • 東京都電子自治体共同運営サービス

利用者用電子証明書は、各種サービスのログイン時に本人であることを証明するのに必要となる証明書です。

暗証番号は数字4桁です。例えば、マイナポータルのログイン時やコンビニでの交付サービス(住民票、印鑑証明書など)の利用時に必要です。

マイナンバーカードと電子証明書の有効期限

マイナンバーカード自体の有効期限と電子証明書の有効期限は違います。マイナンバーカードの有効期限は発行・更新から10回目(20歳未満の人は5回目)の誕生日までですが、電子証明書の有効期限は5回目の誕生日までです。

「ひとつのカードに有効期限が2つあるって何それ?」と最初は思いました。

マイナンバーカードの有効期限とは、カード表側の記載事項(住所、氏名、生年月日、性別、顔写真)の有効期限です。つまり、身分証明書としての有効期限のことです。

電子証明書の有効期限は、文字どおり、ICチップに記録された電子証明書の有効期限です。

マイナンバーカードの普及が進まない理由

セキュリティの問題点

マイナンバーカードのICチップにはいろいろなセキュリティ対策が施されています。にもかかわせず、政府の広報が下手なのか、セキュリティに対する漠然とした不安感が根強く普及の妨げとなっています。

一方、身分証明書として利用するにはマイナンバーカードを持ち歩く必要があります。身分証明書としては不要なはずのマイナンバーまで記載してあるので、紛失・盗難などによってマイナンバーと身分証明書がセットで他人の手に渡ってしまい不正利用されるリスクがあります。また、身分確認の際に一時的にカードを手渡す行為も、悪意が入り込んだ場合はリスクがゼロとは言えません。

マイナンバーが記載されている分、他の身分証明書よりも紛失・盗難時のリスクが大きいと言えます。写真付き身分証明書としてマイナンバーカードしか選択肢がない人もいると思いますが、慎重な管理が必要です。

再発行に1か月もかかる

マイナンバーカードの紛失・盗難の際は、コールセンターか総合フリーダイヤルに連絡すれば一時利用停止することが可能です。24時間365日対応です。

  • マイナンバー総合フリーダイヤル 0120-95-0178
  • 個人番号カードコールセンター 0570-783-578 (通話料がかかります)

問題は、再発行に1か月~1か月半程度かかること。その間は身分証明書なし。将来、健康保険証と一体化したら健康保険証もなし。不便なことこの上なしです。

発行・更新手続きが面倒

マイナンバーカードを初めて発行してもらう際は、申請と受取りで市区町村の窓口に2回行く必要があります。申請は郵送やオンラインでも可能ですが、受取りは本人が交付窓口で受け取る必要があります。

マイナンバーカードの更新は通常10年ごと、電子証明書の更新は5年ごとになります。更新対象者には、有効期限の通知が地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から送付されます。更新手続きは有効期限の3か月前(の翌日)から有効期限の日までです。申請・受取りとも窓口に行く必要があります。

住所、氏名、性別などに変更があった場合にも同様の更新手続きが必要です。

メリットが乏しい

残念なことに、マイナンバーカードはメリットが乏しいと言わざるを得ません。

私個人はマイナンバーカードを比較的早く作りましたが、運転免許証を持っているので、身分証明書として利用したことは1回もありません。マイナンバーカードのメリットとして宣伝されているコンビニでの交付サービスやオンライン申請システムなどを利用する機会もありませんでした。

次の確定申告でe-Taxの利用を検討中なので、初めてメリットを感じることができるかもしれません。

その他の注意事項

複数の暗証番号

電子証明書が2種類あって、それぞれ暗証番号があるので、私のように忘れやすい人にとっては頭痛のタネです。

オンラインシステムの利用にはパソコンとICカードリーダーが必要

e-Taxなどのオンラインシステムを利用するにはパソコンが必要です。さらにマイナンバーカードの電子証明書を読み取るためにICカードリーダーも必要です。

スマホではほぼ何もできない

スマホでもNFC機能が付いた機種なら電子証明書を読み取ることができます。しかし、対応するアプリは1個しかなく、機能は電子証明書の内容や有効性を確認するぐらいしかありません。

今のところ、e-Taxなどのオンラインシステムを利用できるスマホアプリはありません。悲観的な意見になりますが、公的なシステムについては今後も期待できそうにありません。

ICチップの空き領域の利用に民間事業者が参入するまで気長に待つしかないでしょうね。

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