いつになったら選択的夫婦別姓制度が実現する?

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大阪市議会が選択的夫婦別姓制度の法制化に関する意見書を採択

昨日、大阪市議会が選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論を促進するよう求める意見書を賛成多数で可決しました。

意見書の全文は大阪市ホームページ(選択的夫婦別姓制度の法制化に関する意見書)に掲載されています。

ちなみに江東区では、今年6月17日に企画総務委員会で「選択的夫婦別姓に関する国会審議を求める意見書の提出を要望する陳情」について議論されましたが、継続審議となっています。

民法では夫婦同性を規定

日本の民法では、夫婦は同じ名字(姓)を称することと定められています。

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

民法第750条

ちなみに、外国人には日本の民法が適用されない(らしい)ので、外国人と結婚する場合は同姓か別姓かを選択することが認められています。なんだかモヤっとしますね。

法制審議会答申を放置

1996年2月に、法務大臣の諮問機関である法制審議会から「民法の一部を改正する法律案要綱」が答申されました。選択的夫婦別姓制度に関する部分を抜粋しました。

第三 夫婦の氏
一 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏を称するものとする。
二 夫婦が各自の婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは、夫婦は、婚姻の際に、夫又は妻の氏を子が称する氏として定めなければならないものとする。

出展:法務省ホームページ  民法の一部を改正する法律案要綱 より抜粋

しかし、当時の自民党政府からは選択的夫婦別姓制度の導入に関する法案は提出されませんでした。その後も国会での議論は活発とは言えず、ずるずると法改正されないまま20年以上過ぎてしまいました。

選択的夫婦別姓制度導入の反対理由に根拠なし

反対派は反対理由のひとつとして「家族の絆が壊れる」ことを挙げていますが、夫婦同姓にすれば家族の絆が守れるというものでもないでしょう。実際、現行制度のもとで絆が壊れて離婚したケースが数多く存在します。

2015年の国会で、家族の絆が壊れるという意見には客観的な根拠が存在しないと政府が認めています。糸数慶子参議院議員が提出した選択的夫婦別姓に関する質問主意書の中から関連する質問と政府の答弁書の該当部分を抜粋しました。

六 選択的夫婦別姓にすると「家族の絆(きずな)が壊れる」という意見に対する政府の見解を示されたい。また、選択的夫婦別姓にした場合に家族の絆が壊れるとした根拠となる調査結果があれば明らかにされたい。

出展:参議院ホームページ  第189回国会(常会) 質問主意書より抜粋

六について

 選択的夫婦別氏制度の導入については、御指摘のような「意見」を含め、国民の間にも様々な意見があるものと承知している。同制度を導入した場合に「家族の絆が壊れる」かどうかを客観的に判断することは困難であり、その根拠となる調査結果があるとも承知していない。

出展:参議院ホームページ  第189回国会(常会) 答弁書より抜粋

民法第750条は合憲

選択的夫婦別姓制度導入を希望する当事者が起こした裁判において、2015年12月に最高裁が民法第750条は憲法違反ではないと判断したため、憲法違反を梃子に民法を改正することは当面難しくなりました。

一方で最高裁は「この種の制度の在り方は、国会で論じられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と国会に委ねました。

旧姓併記では問題は解決しない

選択的夫婦別姓制度の導入に反対している政府自民党は、旧姓を通称として併記するように省令を変えることで民法改正を避けようとしていますが、これでは問題は解決しません。

ひとりの人が2個の名字を使い分けるやり方は、本人にとっては煩雑であり、周囲に対しては誤解や混乱を招く原因にもなります。ひとりの人が1個の名字を使用する方が制度としてシンプルです。

最新の世論調査では60歳未満の半数は賛成派

選択的夫婦別姓制度の導入に関する世論調査(内閣府実施)の結果について示します。

1996年以降の世論調査では、いずれも夫婦は同姓を名乗るべき(緑色と橙色)が50%を超えています。最新(2017年)の世論調査では選択的夫婦別姓制度の導入に賛成(水色)も40%を超えていて両者の差は約10%に過ぎません。

選択的夫婦別姓制度(総数)
選択的夫婦別姓制度の導入に関する世論調査(1996年以降)の結果

2017年の世論調査を年代別に見ると、60歳未満の各年代では選択的夫婦別姓制度の導入に賛成が50%前後、選択的夫婦別姓制度の導入に反対は20%以下です。60歳以上では反対の割合が増えて70歳以上では反対が半分を超えています。

選択的夫婦別姓(年代別)2017年
選択的夫婦別姓制度の導入に関する世論調査(2107年)の年代別の結果

2017年の約10年前にあたる2006年の世論調査を年代別に見ると、50歳未満の各年代では選択的夫婦別姓制度の導入に賛成が40%台の前半、選択的夫婦別姓制度の導入に反対は20%前後です。50歳以上は年代が上がるほど反対の割合が増えています。

夫婦別姓世論調査(年代別)2006年
選択的夫婦別姓制度の導入に関する世論調査(2006年)の年代別の結果

2006年の調査では反対派の割合が増えるのは50歳からでしたが、2017年の調査では60歳からです。つまり、約10年経って各年代が1つずつ上の年代になり、賛成・反対の割合の特徴を持ち上がったということです。

そもそも本件は婚姻時に名字をどうするかという問題なので、若い年代の意見を尊重した方がよいのではないでしょうか。

まとめ

選択的夫婦別姓制度について簡単にまとめておきます。

  • 「家族の絆が壊れる」という反対理由には根拠がない
  • 国会で議論すべき
  • 60歳未満の半数は導入に賛成

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