入国制限措置の緩和による新型コロナ感染拡大のリスク

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新型コロナウイルス感染拡大を受けて、日本政府は159の国・地域からの入国を原則拒否していましたが、少しずつ入国制限措置を緩和してきています。

10月1日(木)のNHKニュースのタイトル『新型コロナ受けた入国制限措置を緩和 全世界対象』を見て、世界中から大挙して人が来るのかと思ってギョッとしましたが、そういうことではないようです。

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入国制限措置の緩和

政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会合で決定された入国制限措置の緩和に関する事項は以下のとおりです。

ビジネス上必要な人材等の出入国の例外枠

6月18日(木)の第38回会合では、一般の国際的な往来とは別に、ビジネス上必要な人材等の出入国について例外的な枠を設置することが決定されました。感染状況が落ち着いている各国・地域と協議・調整の上、準備が整った国・地域から試行されることになりました。

在留資格を持つ外国人の再入国許可

14日以内に入国拒否対象地域の滞在歴がある外国人は、特段の事情がない限り入国拒否の対象となっています。永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者は特段の事情ありとして再入国が認められています。

Jiji
Jiji

2020年10月1日現在、世界の159の国・地域が入国拒否の対象地域になっているのだ。

ビジネス以外の在留資格(医療、教育、教授等)を持つ外国人の再入国についても、以下のとおり、徐々に認められるようになってきています。

7月22日(水)の第41回会合では、入国拒否対象地域の指定前日までに再入国許可を受けて出国した在留資格を持つ外国人の再入国を認めることが決定され、8月5日(水)以降実施されています。

8月28日(金)の第42回会合では、再入国許可を受けて出国した在留資格を持つ外国人については、9月1日(火)以降、滞在先で再入国関連必要書類提出確認書と出国前検査証明を取得して入国審査時に提出すれば、入国拒否対象地域からの再入国を許可することが決定されました。

在留資格を持つ外国人の新規入国許可

9月25日(金)の第43回会合では、10月1日(木)から、ビジネス上必要な人材等に加えて、留学、家族滞在等の在留資格を持つ外国人も対象に加えていくことが決定されました。また、原則として全ての国・地域からの新規入国を順次許可していくことも決定されました。

会合資料の文面だけでは分かりにくいのですが、感染状況が落ち着いている各国・地域と協議・調整の上、準備が整った国・地域から順次許可していく点は従来と変わっていません

入国許可の仕組み(スキーム)

入国許可にあたっては、従来の水際措置に加えて追加的な防疫措置を条件に入国が認められます。

従来の水際措置
  • 空港での検査(入国拒否対象地域の滞在歴がある人が対象)
  • 入国後14日間の公共交通機関不使用
  • 入国後14日間の自宅等待機
追加的な防疫措置
  • 滞在先の出発前72時間以内の検査証明書
  • 新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)のインストール
  • 地図アプリによる入国後14日間の位置情報の保存

入国許可の仕組み(スキーム)として、レジデンストラックとビジネストラックという2種類が用意されています。ビジネストラックは、レジデンストラックより入国後14日間の行動範囲が広いので、レジデンストラックよりも新型コロナ感染拡大のリスクが大きくなります。

レジデンストラック

レジデンストラックは、入国後の14日間は自宅等待機が維持されるスキームです。14日が経過するまで本来の活動が制限されるので、主に中長期の滞在者向けのスキームです。受入れ企業・団体が追加的な防疫措置の実施を確約する誓約書を提出することが条件です。

10月6日(火)現在、タイベトナムマレーシアカンボジアラオスミャンマー台湾シンガポールとのレジデンストラックの運用が始まっています。ブルネイ韓国とも合意済みで10月8日に運用開始予定です。さらに、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、中国、香港、マカオ、モンゴルと協議・調整中だそうです。

ビジネストラック

ビジネストラックは、入国後の14日間の自宅等待機期間中に、自宅等と用務先の往復等に行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能なスキームです。この間、公共交通機関を使用しないことや不特定の人が出入りする場所への外出を回避することが求められます。主に短期出張者向けのスキームです。

10月6日(火)現在、シンガポールとのビジネストラックの運用が始まっています。韓国とも合意済みで10月8日に運用開始予定です。

緩和による新型コロナ感染拡大のリスク

新規入国の許可は、新型コロナ感染状況が落ち着いているアジア・オセアニアの国・地域に当面は限定されるようです。再入国の許可は現状で感染拡大が収まっていない国・地域も対象に含まれているので、新規入国に比べると感染を拡大させるリスクが高くなります。

新型コロナウイルスの検査の精度は完璧ではないので、感染拡大を防ぐキーポイントは、入国時の検査の有無より、入国後14日間に接触機会を想定どおり最小限に抑えられるかどうかだと思います。

公共交通機関を使用するリスク

入国者は、入国時の自宅等への移動も含めて、入国後14日間の待機期間中に公共交通機関(電車、バス、タクシー、飛行機等)を使用しないように要請されます。移動にはハイヤーかレンタカーを手配するぐらいしか思いつきませんが、果たして全員がそのようにできるでしょうか。

自宅等待機が守られないリスク

国際的な人の往来が増えても、入国後14日間の自宅等待機が厳守されれば、新型コロナ感染拡大のリスクは最小限に抑えられるでしょう。しかし、現実には2週間もじっとしていられない人が出てきても不思議ではありません。あまりにも守られないようなら、罰則を設けることも必要になるでしょう。

感染拡大が収まらない国から入国許可を迫られるリスク

新型コロナに対する考え方や対処方法は国によって違います。もし感染拡大が収まらない国から入国許可を出すよう要求されたら、外交下手な日本がうまく対処できるか心配です。例えば、今アメリカから入国許可を迫られたとしたら、断ることができるのか心もとなく感じます。

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